某専門誌・創刊号より(その-2)

では、本文より興味深い内容の記事を幾つか紹介してみましょう。

「ハマニシキの誕生まで」
ハマニシキの作出ベースとなった金魚は、1967年頃に(株)清水金魚が香港から
輸入した肉瘤の発達するタイプの珍珠鱗、つまり現在の高頭パールと呼ばれている
金魚だった。高頭パールという品種の金魚は、日本でいうところのオランダシシガシラに
パール鱗の表現を加えた金魚だ。この輸入された高頭パールを金魚養殖家である
渡辺茂夫、義春の両氏が繁殖させることになった。しかし、この時輸入された系統の
高頭パールからは、ハナフサ・出目・背鰭の欠如したもの・パール鱗にならず普通鱗
となるものなど、実に様々な表現を持った金魚が現われた。もちろん、この時点では、
現在のハマニシキのような表現をした個体は全く得られていない。

その後も渡辺氏の養魚場では、この系統の金魚の繁殖を続け高頭パールとしての
条件を満たす表現を持った金魚のみを残すよう選別淘汰を繰り返してきたが、
1975年になって初めて現在のハマニシキのような頭部の肉瘤が、水泡状に発達
する個体を数尾得ることが出来た。これらの表現を持つ個体同士を翌年、翌々年と
交配させた結果、この水泡状に発達する特殊な肉瘤を表現する形質は、遺伝する形質
であることが判明したので、この金魚は1978年に新品種「ハマニシキ」として発表
することになった。

「現在のハマニシキ」
ハマニシキは渡辺義春氏が生産されたものが最も多く国内で流通している。
中国で生産された高頭パールの中にも、ハマニシキ同様の表現を持った金魚が
出現しているのだが、これらの金魚についてもハマニシキとして国内で流通している
場合がある。
しかし、渡辺氏の系統のハマニシキは、10年以上前から中国にも輸出
されている為、それらがもともと中国に存在していた系統なのか、日本のハマニシキ
との交配によるものなのかはっきりしない。

これとは別に1975年頃輸入された高頭パールの中には、ハマニシキと同様の
表現を持った金魚が存在していたようなので、ハマニシキの形質はもともと中国の
金魚に内在していたものであったとも考えられる
が、少なくとも渡辺氏のところに
高頭パールがやってきた時点では、現在のようなハマニシキの表現をした金魚は
一尾も存在していなかった。例え、もともと中国の金魚に内在していた形質であっても
その形質に着目し、ハマニシキという金魚を、品種として発表することが出来るまでに
作り上げたという渡辺氏親子の偉業に対する評価は何ら変わるものではないだろう。

「ハマニシキにまつわる噂」
(全文省略させて頂きます。 G-kingyo)

「ハマニシキの繁殖と選別」
中略~
実は、ハマニシキ同士を交配しても、そこから生まれたすべての当歳魚が
あのような水泡状に発達する肉瘤を持つわけではない。金魚にはランチュウやトサキン・
ナンキン・チ゛キンなどのように各地に愛好家がいて、愛好家自身がそれらを繁殖
させているという品種もあるが、ハマニシキを繁殖させている愛好家はあまりいない。
その為、ハマニシキの良魚がどのくらいの割合で作出出来るのか等もあまり
知られてはいないようだ。

ハマニシキは、頭部の特徴ある肉瘤の表現以外にもパール鱗の表現をしている必要
があるので、当歳魚の選別時には普通鱗の個体は淘汰されていく。この時、全体の
50%程度の当歳魚は普通鱗や普通鱗に近い表現
となっているのでこれらは
淘汰していく。もちろん尾鰭の形状の悪いもの、体の発育の悪いものも同時に
淘汰される。秋頃になって水泡状に発達する肉瘤を持った当歳魚が現われるのは、
さらにそのうちの30%程度だ。そして残りの70%については、高頭パールとして
市場に流通することとなる。


ところがこの残りの70%程の高頭パールが冬を越して、翌年の夏になる頃には水泡状
に発達する肉瘤を持った個体がこの中からかなりの数が現われてくるのだ。
実は、
ハマニシキの水泡状に発達する肉瘤の発達は、個体によってかなりバラつきがあり、
個体のよっては3歳魚になってから発達の始まる個体さえいる。このことがハマニシキ
と高頭パールの違いを一層わかりにくいものにしている。
つまり、今後ハマニシキに
なりうる可能性はあるが、現時点での表現は高頭パールという個体が多数存在

している上に、もともと高頭パールとして繁殖されていて、日本のハマニシキとは
系統的にあまり関係のない海外のパールも同時に市場に流通しているというのが
現状のようだ。
                       ◆◆◆

さて筆者に問いたい。この雑誌で書かれた内容は渡辺氏はチェックされたのでしょうか?
或いは一通り目を通された文章なのでしょうか?
個人的には、不可解と感じる文章が数多く目に飛び込んでくる。また、私が知りうる
範囲でのこの業界の浜錦に関する噂や実態と照らし合わせると、全く逆説を呈している
ところがある。つまり、私が知っている情報が真意ならば、逆読みしてみると「全く
その通りだったのか」と見事に符合する内容があるということだ。

本文中にもあるように、ランチュウ等と比べ「ハマニシキを繁殖させている愛好家は
あまりいない。その為、ハマニシキの良魚がどのくらいの割合で作出出来るのか
等もあまり知られてはいないようだ。」は現実だろう。されとて、未熟な私でも
永年なんだかの形で浜錦に拘わりあって来たファンの一人としては、ほんとうに
この文章を発表される際、渡辺氏が許諾されたかどうか疑わざるを得ない。

さらに、赤字部分の記事について検証を加えてみたい。
・・・つづく
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by G-kingyo | 2007-04-21 17:24 | 金魚四方山話

金魚の想ひ出・金魚にみた夢・お母さんに内緒の金魚・・・単一魚種を中心とした、Gと金魚の「愛と偏見」に満ちた?魚ログ


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