「浜錦」という名がさすものとは?その2

* ・・・と書き出すとやや大袈裟ですが(^^; 重複した内容ですが「その2」などを。

 渡辺氏は“錦”を名乗る以上、「キャリコ柄(ご本人は三毛(さんけ)と呼称)が
 本来目指すべき正統な浜錦」
と、明言されていたことは以前ご紹介しました。
 また“浜錦の祖となった金魚”とは、「高頭パール」の交配・生産を進めていく過程
 で“浜錦の祖となった金魚”がただ単純に得られた訳では無いことも記述しました。
 その辺りをもう少し掘り下げてみましょう。

* 意外かも知れませんが“浜錦の祖となった金魚”は、当時の高頭パールと
 珍珠鱗魚(普通鱗性タイプのパール)との交配過程よって初めて出現しました。
 けして当時の高頭パール生産中に偶々浜錦の様な金魚が現われた訳では無いのです。
 どのような意図で珍珠鱗と交配をされたかはおよそ想像もつきますが、渡辺氏ご本人も
 頭部水泡状肉瘤が肥大化する様な金魚の表現が得られたことは、やや想定外だった?
 ことでしょう。 その特質をもった金魚こそが“浜錦の祖となった金魚”であり、けして
 高頭パールから偶然産まれた訳では無かったことを重ねて記述しておきます。

 ちょっと、その当時の珍珠鱗・高頭パールを考えてみましょう・・・

                           ◆
 (某雑誌・創刊号の記事引用~)
 >「この時輸入された系統の高頭パールからは、ハナフサ・出目・背鰭の
 欠如したもの・パール鱗にならず普通鱗となるものなど、実に様々な表現を持った
 金魚が現われた。」

 また、以前この様に書きました・・・
 >文化大革命以降の養魚方法もそれ以前と変わりなく、広大な野池で多種多様な
 金魚を泳がせランダムな自然交配を何代にも渡って繰り返し、繰り返し行って来ました。

 
 このように(7月30日記事参照)当時輸入されていた中国金魚達は雑多で複雑な
 遺伝要因を備えていたことは明白です。それは現在でも受け継がれる形質でしょう。
 そのような中、珍珠鱗と高頭パールを交配させた事実をご想像ください。 どのような
 形質が組み合わさったのか?頭部を発達助長させる因子があったのか、なかったのか?
 想像もつかないほど多様な条件が重なり“浜錦の祖となった金魚”が誕生したようです。

 その後渡辺氏の努力とご尽力によって形成される後の浜錦は、浜錦としての系統を
 守りつつ、さらなる“錦”として種を高める為、氏の真摯な研鑚は続きました。

* それでは現在の浜錦を取り巻く状況はいかがなものでしょう?
 雑誌に見る情報でも、Web情報でも、有名販売店でもいささかお粗末で、悲しい現実
 は多々目にすることをこのブログでも取り上げています。情報とは無責任で刹那な物。
 良識に欠ける販売店とは、ただただ「お金に成りさえすれば」と・・・。

 とある養魚場では、他所の系統を取り入れながらも代々引き継がれる浜錦の系統を
 絶やさまいと人知れずご苦労されている方。一方では浜錦に安易に高頭パールを
 交配、一代雑種でさも!浜錦かのごとく配布される方。私は断じてそのような金魚を
 浜錦とは思いません。

 近年、輸入される高頭パールのとある系統では、頭の水泡状肉瘤の発達が良く、
 ボディーと同寸法になる程の個体も居ます。それらは今日の浜錦?では味わえない、
 声を失うほどの迫力で我々を楽しませてくれます。
 そのような個体を前に、もはやそれが浜錦?高頭パール?などと言う議論や詮索は
 全く意味が有りません。なぜなら渡辺親子が求めていた浜錦の理想に、極めて近い
 形質があり、また現にそのような金魚を渡辺親子が作出されていたからです。

 浜錦と高頭パールを平気で交配している専門家の方は、恐らくそのような金魚の存在も
 知らないのでしょう。愚かなことですので、市場で大きな声でそんなお話をしない方が
 賢明ですよ、そこの業者さん(笑)。
 それでもなお浜錦は現在でも系統を保っています。それを保とうとご努力されている
 方々の賜物です。
 
                           ◆

* 最後に再び・・・
             「国産金魚を祖先に持つ日本産金魚の異端児」 より~
 (略)
 1975年頃輸入された高頭パールの中には、ハマニシキと同様の表現を持った
 金魚が存在していたようなので、ハマニシキの形質はもともと中国の金魚に内在
 していたものであったとも考えられるが、少なくとも渡辺氏のところに高頭パールが
 やってきた時点では、現在のようなハマニシキの表現をした金魚は一尾も存在して
 いなかった。
 例え、もともと中国の金魚に内在していた形質であってもその形質に着目し、
 ハマニシキという金魚を、品種として発表することが出来るまでに作り上げたという
 渡辺氏親子の偉業に対する評価は何ら変わるものではないだろう。


 ・・・素晴らしい浜錦と出会えますように。
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by G-kingyo | 2007-09-21 12:47 | 金魚四方山話

金魚の想ひ出・金魚にみた夢・お母さんに内緒の金魚・・・単一魚種を中心とした、Gと金魚の「愛と偏見」に満ちた?魚ログ


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